クライミングのグレードって何?

クライミングでは、ルートの難易度を相対的にあらわす指標があり、それをグレードといいます。
最近流行りのクライミング(ボルダリング)ジムでは、●級という表記がされているはずです。

なんでグレードが必要なの?

クライミングでは、自分のグレードから大幅にかけ離れたルートに取り付いた場合、危険を伴うことがあります。
多くのクライマーは登りたい所を登る以前に、自分の周辺グレードを登るのが一般的です。

ルート(課題)のグレードは、多くのクライマーにとって目標にもなりますし、未知のルートに対する唯一の情報源でとても重要なものなのです。

ちょっとラインが変わっただけで、難易度が変わるクライミング

グレード体感は人それぞれ

グレードは感覚的な指標

グレードは、初登者のクライミング経験を元に感覚的に決められます。 点数などの難易度表記はありませんので、この程度の難しさなら大体これぐらいか?という感覚的な決定値です。

このグレード間違ってるんじゃないの?という現象

クライミングのグレードは、得意不得意分野や身長差などから同じグレードでも全く違う難易度だと感じる課題は多くあります。
多くのクライマーが実際のグレードより難しく感じる課題を辛いルートなどと表現します。(逆は甘いグレード)
実際のグレードより難しいので、危険を伴うルートであった場合、思わぬ事故を起こす可能性があります

自分の限界グレードに挑戦する場合は、ルートの登り方だけではなく、落ちてはいけない場所など自分の目で確認する必要があります。

初段というなら初段なのだろうと割り切るクライミング。

グレードは誰が決めるの?

外岩の課題(ルート)には、名前とグレードが設定されています。
どちらも初登者が決める権利があります。

名前が変更になることはありませんが、グレードについては変更がつきものです。
初登時から岩が欠けたりして、簡単もしくは難しくなりグレードアップ・ダウンすることが多くあります。
その他大勢のクライマーが登った結果、グレードが見直され改定されることもあります。

国内のボルダリングは段級グレードが主流

ボルダリンググレードは草野俊達が考案した段級グレードが日本では一般的です。
昔は外岩初段が登れれば上級者と言われていましたが、現在では外岩初段は中級者程度という認識になっています。
クライミングジムのグレードは、自然岩のグレードとは違いがありますが、外岩でトライする課題の目安にはなるでしょう。

ボルダリングの段級グレーディングは、御岳の忍者返しと小川山のエイハブ船長が基準(共に1級)となっています。

同じグレードでも感じる難易度は様々

課題のグレードは、初登者が設定します。
グレードは自分のクライミング経験から感覚的に決められるので、各クライマーが感じる難易度は様々です。
同じ初段でも、とても簡単なものからあり得ない難しさのものまで様々です。これは、クライミングが面白くなる一つの要素でもあります。

京都笠置 親指君(初段)同じ初段でも難易度が…

リードはデジマルグレード表記

ロープを使ったクライミングであるリードクライミングですが、昔はRCCⅡグレードという表記が一般的でした。
今はデジマルグレード(5.10a等々)が一般的で、フレンチグレードも記載されることがありますが、日本ではあまり使われません。

感覚的には5.10aはボルダリング5級、5.11aはボルダリング3級、5.12aはボルダリング1級程度のムーブが核心部で必要であるように感じます。

5.8とか5.10aとか、どういう意味なの?

5.10aというグレードは、アメリカで使われていたグレード体系(デジマルグレード)で、クラス1~6まである中のクラス5台という意味です。
クラス5は、プロテクションが必要なクライミングとされています。
クラス5の中でも、5.10a → 5.10b → 5.10c → 5.10d → 5.11aといったように難易度が上がっていきます。

ちなみにクラス4は、プロテクションは不要のクライミング(登山)となります。
よく、山岳ガイドの人がロープを手に持って先頭を歩き、後続者を引率している後継がありますが、まさにそれです。

プロテクションが必要な場合、一般登山ではなくクライミングの領域です。

グレードがクライミングを面白くする

クライミングでは、グレードがあるので自分の実力をある程度、数値化することができます。
まさに自分に対するランク付けであり、それを高めたいが故に、クライミングジムでクライミングに没頭する人も少なくありません。
グレードを追っていくのもクライミングの楽しさの一つではありますが、外岩でビックウォールを登ったり、無心でボルダリング課題に打ち込んだりと、グレードから解放されたクライミングも楽しいものです。

グレード比較表

ボルダリング、リードクライミングのグレード比較表は、以下のようになっています。
2016年現在、ボルダリングではV16、リードでは5.15cが世界最高難易度で、どれも人間の限界を超えようとするフロンティア精神で取り組まれた内容です。

ボルダーグレード リードグレード
JAPAN FRENCH USA デシマルグレード(USA) UIAA(国際山岳連盟) FRENCH
      5.2 1
      5.3 1-2
      5.4 2-3
6級 3+ V0- 5.5 3-4
  4 V0 5.6 Ⅴ- 4-5a
5級 4+ V0+ 5.7 5a-5b
  5 V1 5.8 Ⅴ+ 5b-5c
4級 5+ V2 5.9 Ⅵ-~Ⅵ 5c-6a
  6a V3 5.10a Ⅵ+ 6a-6a+
3級 6a+   5.10b Ⅶ- 6a+
  6b V4 5.10c 6b
2級 6b+   5.10d Ⅶ+ 6b+
  6c V5 5.11a Ⅶ+~Ⅷ- 6b+-6c
1級 6c+   5.11b Ⅷ- 6c+
  7a V6 5.11c Ⅷ- 6c+
初段 7a+ V7 5.11d 7a
初段+ 7b V8 5.12a Ⅷ~Ⅷ+ 7a+
二段 7b+   5.12b Ⅷ+ 7b
二段+ 7c V9 5.12c Ⅸ- 7c
三段 7c+ V10 5.12d 7c+
      5.13a Ⅸ+  
三段+ 8a V11 5.13b   8a
四段 8a+ V12 5.13c Ⅹ- 8a+
四段+ 8b V13 5.13d 8b
五段 8b+ V14 5.14a Ⅹ+ 8b+
五段+ 8c V15 5.14b   8c
六段 8c+ V16 5.14c Ⅺ- 8c+
    V17 5.14d 9a
      5.15a   9a+
      5.15b Ⅺ+ 9b
-     5.15c   9b+
-     5.15d   9c

実際のグレード帯

リードクライミングでは5.6ぐらいからが登攀対象

岩場のリードクライミングで実際トライされるのは5.6辺りからになります。
それ以下のグレードは、あえてスポートクライミングで積極的に登られる対象にはなっていません。
低グレードのルートは、登攀技術の習得や高所慣れするために利用されることもあります。

ボルダリングは5級ぐらいから課題が充実してくる

岩場でのボルダリングのグレードは、5級ぐらいから積極的に登攀されています。
古い岩場では10級あたりの課題もありますが、現在開拓が進む岩場では皆無です。

ボルダリングジムでは、クライミング初心者が対象となるので、10級周辺の課題が設定されている所もあります。

ボルダリングとリードの最高グレード

現在の最高グレードを押し上げるクライマーが登るプロジェクトはどんなものなのでしょうか?

ボルダリングの世界最高グレードはV17

Burden of Dreams 9A(V17)

ナーレ・フッカタイバル(Nalle Hukkataival)初登のBurden of DreamsはV17とされ、世界最高グレードとされています。
フィンランドの首都ヘルシンキ東方100km地点にあるラップノールで、『ラップノール・プロジェクト』と呼ばれていた課題です。

ボルダリングの最高課題は、99Bouldersでチェック!

高難易度のボルダリング課題は、99Bouldering.comというサイトで紹介されています。
モチベーションを上げたいクライマーは必見です。

99Boulderings

Burden of Dreams 9A(V17)

リードクライミングの世界最高グレードは5.15d

Project Hard 9c(5.15d)

アダム・オンドラが2017年9月3日に初登したProject Hard 5.15d/9c。
ノルウェーのFlatanger、Hanshelleren Caveという巨大な花崗岩のケイブ内のプロジェクトで以下の要素を含んだとんでもない内容です。

  1. 難解で核心の積み重なった45メートルの強烈なオーバハング
  2. 20メートルの5.13+相当のセクション
  3. ニーバーレストポイント
  4. 5メートル、10ムーブのV15相当のボルダーセクション
  5. V13とV9相当の核心
Burden of Dreams 9A(V17)

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hidehaya inoue

Rockmo編集長、製作者で幼少から登山に取り組み、アルパイン、リード、ボルダリング、登山と何でもする二児のクライマー。
前職は登山用品店「好日山荘」で、JAPAN MENSA会員。MENSA特有の視点でクライミングを捉え、WEBからクライミング業界を盛り上げようとしている人。

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