リードクライマーなら必須アイテムになるクイックドロー

リードクライミングを始めてATC+ハーネス+ロープなど一通り道具が揃った後に、必要になるクイックドロー。またの名をヌンチャクとも言います。
クライミングジムでは、初めから備え付けられている所も多いですが、外岩では必須のギアです。
また屋外施設のリードクライミングでは自分で用意する必要がある施設もあります。

取り組むクライミングでしっかり選びたいクイックドロー

クイックドローといっても、沢山の種類があり、知識がないと何を買えばいいのかさっぱりわかりません
要点を押させれば、自分に合ったクイックドローは必ず選択することができます。

ギア回収作業も必要な外岩でのクライミング

クイックドローを選ぶポイント

クイックドローを選ぶポイントとして以下があげられます。

  1. 重さ
  2. 長さ
  3. カラビナの形
  4. ゲート部分の形
  5. ロック機構の有無
  6. クリップのしやすさ(カラビナの大きさ)
  7. 価格

クイックドローの重さ

クイックドローについているカラビナはアルミ合金製で、ものによって軽い重いの違いはありますが、市場に出ている商品全て安全基準をクリアしています。(クライミング用ギアに限る)
昔の鉄製(鉄ビナ)に比べ軽くなったとはいえ、重さは購入ポイントになります。
通常クイックドローは1本だけ持ってのぼることはなく、ルートにもよりますが、10本程度は携帯します。

選び方によっては、1本40g程度の差が出てしまうので10本で400gも違いが出てしまいます。
重さに限っては、軽ければ軽いほど良いという結論になります。

色んな長さがあったほうがよいクイックドロー

クイックドローはその連結部分が12cmと18cmの2種類の長さで展開している商品がほとんどです。
たかが数cmの差ですが、これでロープの流れが良くなったり、クリップしやすくなったりします

全て長ければ良いわけではなく、各クリップポイントで最適な長さのクイックドローが必要です。
初めて購入する場合でも、長めのクイックドローは数本検討したほうが良いでしょう。

必ずチェックしたいカラビナの形

クイックドローに2つ付いているカラビナは、色んな形があり、それぞれシチュエーションにより最適な使い方があります。
クイックドローを購入する場合、ほとんどが変D型と呼ばれるカラビナが2つ付いています。
ですので間違って購入することは少ないですが、カラビナの形の特性は知っておくべきです。

クイックドローはカラビナ2つとクイックドロースリングというものを使って自作することができます。
若干金額が高くなりますが、オリジナルのクイックドローを作るのもいいでしょう。

オーバル型

オーバル型がクイックドローに使われていることは滅多にありません。(自分で作ることはできますが)
オーバルはOの形をしたカラビナで、ロープを通したとき、左右均等に荷重が掛かります

どうしてもゲートがある部分は強度が落ちるので、オーバル型は強度面でその他のカラビナより劣ります
ですが、形が左右対称なので、ロープの流れもよく、道具もラッキングしやすいので一つは持っておきたいカラビナです。
トップローブの支点でも有効ですし、プーリーとの相性は断然オーバル型が有利です。これは、形状が左右対称であることが理由です。

D型

アルファベットのD型であるカラビナです。
ゲートがない側が主軸となるため、オーバルより強度が高いのが特徴で、オーバル型より若干ゲート解放時は、開口部が広くなります。
現在では、D型のほとんどは、変D型に移行し、見かけなくなりました。

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変D型

D型の改良版である変D型は、主軸が外側に広がり、より開口部分が広くなりました。
手の形に馴染みやすく、クリップやロープの取り外しがしやすくなっています
D型に比べ若干重くなります。

ナス型

洋ナシ形のカラビナで、通常クイックドローにつけられることは考えにくいカラビナ。
ナス型の用途としては、ATCと組み合わせて使うケースがほとんどで、安全環が装着されているのが通常です。
考えようによっては、ラッキング収納数は全タイプの中では最大ですが、そういう使い方をしているクライマーは見たことがない。

クリップのしやすさに関わるゲートの形

クイックドローのゲートとは、いわゆるロープを通す入口で、思っているより形によるクリップ感は変わります
ゲートは、大きさと形が選ぶポイントになります。
クイックドローは、以下の3種類のカラビナの組み合わせとなります。

カラビナのゲートの形

  1. ストレート型
  2. ベント型
  3. ワイヤー型
クイックドローは、「ストレート型+ベント型」と「ストレート型+ワイヤー型」、「ワイヤー型のみ」の3種類がほとんどです。

ストレート型

ゲートが直線形状のカラビナです。
特徴は、性能的にニュートラルなので、どんなクライミング(アイスクライミング以外)にも使えることです。
ベント型に比べてクリップはしにくいですが、ロープのがゲートに乗りにくいので、ロープ抜けの事故防止になります。(逆クリップ時にカラビナの向きが悪いと起こる事故)
2ピン目まではストレート型ゲートのクイックドローが安全なのかもしれません。
ストレート型のみで構成されるクイックドローは市場ではほとんどありませんが、自作でつくれます。

ベント型

ゲートの形が'く'の字になったゲートで、ストレート型に比べクリップしやすいのが特徴です。
しかし、ロープがくの字部分にのりやすく、ロープ抜けの事故条件がストレート型よりそろいやすくなってしまいます。
ゲートの長さがストレート型より若干長くなり少しだけ重くなるかもしれません。

ワイヤー型

ワイヤー型は見た目通り軽く、本気トライの時に重宝します。
見た目は貧相ですが、強度的に全く問題ありません

最大の特徴は、ゲートが勝手に開閉する現象が起きにくいことです。(ホイップラップ現象)
ワイヤー型以外のタイプのクイックドローを手のひらに叩きつければわかりますが、ワイヤーゲート以外のカラビナは振動によりゲートが勝手に開いてしまいます
ゲートが開くと、カラビナの強度は極端に低下し、破損事故の原因となります。

ビレイをしていれば分かりますが、ロープはよく動きますし、クライマー落下時は特に顕著です。
またワイヤー型は、開口部分が凍り付きにくくアイスクライミングに最適です。

またゲート部分のバネが強いほうが、ロープぬけの事故が起きにくいです。
クリップはしにくくなりますが、極端に弱いバネが入ったカラビナは注意が必要です。

通常はついていないロック機構(安全環)

多くのクイックドローにはロック機構は付いていません。
カラビナ2つとクイックドロースリングでクイックドローは自作できます。

クライミングの終了地点で支点を作る場合など、ロック機構があったほうがよい場合もありますので、1本~2本ぐらいはロック機構がついたクイックドローを持っておいても良いかもしれません。

カラビナロック機構の種類

カラビナのロック機能は主に、スクリュータイプと、自動ロックタイプがあります。

スクリュータイプ

スクリュータイプは、自分でロック部分を回してロック・解除を行います。
古典的な方法ですが、一度締めてしまえば、開くことはまずありません
中途半場にスクリューが回っていると、ゲートが開いた状態になりますので、危険な状態になる場合があります。

自動ロックタイプ

自動ロックタイプは、ロック部分を半回転程度回すことでゲートが開き、ゲートを閉じると自動でロックが掛かります。
スクリュータイプと違って、ゲートが開きっぱなしになることはなく安全ですが、ロープや岩に擦れ、ロック部分が半回転してしまうことがあるかもしれませんので、スクリュータイプより開きやすいです。
またロック解除に若干慣れが必要で、パニックになった状態では、単純なスクリュータイプのほうがロック解除しやすいです。

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クリップのしやすさ

カラビナの大きさの違いがクリップのしやすさに関わる点で、大きいカラビナほど手の大きいクライマー、小さいカラビナほど手の小さなクライマーと相性が良いです。
女性クライマーは大きすぎないカラビナーを使ったクイックドローを選択したほうがよいでしょう。
リードクライミングは、とんでもない体勢でクリップを迫られる場合もありますので、できるだけ手に馴染むカラビナを使ったクイックドローを選んだほうがよいです。 手が小さいクライマーはペツルのアンジュ フィネスなどがいいかもしれません。(手の大きいクライマーはクリップしにくいです。)

価格はあまり気にしないほうが良い

クイックドローの価格は、安いもので一本2,000円程度、高い部類は3,500円程度とかなり価格差があります。
これを10本以上購入するとなると1~2万円程度の違いがでます。
しかし、事故という要素に直接かかわるギアですので、価格より自分に合ったものを選ぶことを優先したほうが良い気がします。
金額の差よりも事故でクライミングをしばらくお休みするほうが、色んな意味で痛いような気がします。

まとめ

リードクライミングはボルダリングと違って、重大な事故になりやすいクライミングです。
上級クライマーは登攀能力以外にもギアの取り扱いにも精通している必要があり、じっくり考えてギアは選んでください。

初めて購入するなら、クイックドローのパックがお勧めです。大体5本~6本セットになっていて若干お買い得です。
色々試してみたい方は、個別で色々買ってみるのもよいです。全て同じクイックドローである必要はなく、自分の好きなものと出会えるチャンスがあります。

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Rockmo編集長、製作者で幼少から登山に取り組み、アルパイン、リード、ボルダリング、登山と何でもする二児のクライマー。
元登山用品店「好日山荘」のJAPAN MENSA会員。MENSA特有の視点でクライミングを捉え、WEBからクライミング業界を盛り上げようとしている人。

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